《断りきれないまま留学へ》
2007年夏、この夏が僕の人生を大きく変えてしまった。
当時僕は楽して単位を取る事しか考えていない大学2年生でした。
この年の春、履修登録のため授業カリキュラムの本を見ていると
「夏休みに短期留学をすると2単位もらえる」的な事が書いてありました。
僕は第二外国語で「韓国語」を履修していました。
↑
(ただ単に韓国語は日本語と文法が似ていると、どこかで聞いた事があり単位が取りやすいのでは?と考えていたため。)
これはチャンス!!すぐに思いました。
短期留学に関する説明会があるということなので
説明会だけ出て、行きたくなかったら行かないでいいやと、軽い気持ちで思っていました。
そして説明会当日。
この日が僕の人生の分岐点でした。
突然ですがここで僕の性格を説明します。
・人見知り
・臆病
・優柔不断
・断れない
説明会当日、短期留学が怖くなり(たった3週間だけなのに)、行くのをためらいつつも一応教室の手前まで行きました。
しかし
なかなか教室に入れずに3、4回教室の前を行き来しました。
そして、意を決して教室に入ると
そこには1人しかいませんでした…
いよいよ2人のまま説明が始まりました。
(説明会は2回あったので、たまたまこの日は2人だけでした。)
説明会を聞き終え、行く事を悩みました。
それは金銭的な事でした。
僕の大学では当時、韓国への短期留学には約30万円(航空代、授業料、家賃等込み)必要でした。
↑
(個人で行く場合、斡旋会社を通していく場合、金額はそれぞれ異なります。)
僕は半分、いや、7割くらい行く気が失せてました。
すると隣に座っていた「1人」がしゃべりかけてきました。
韓国に行ったらまずカジノっしょ!とか
焼き肉っしょ!とか
何する?あれもしたいよな!これもしたいよな!
最終的には
あれしようぜ!これしようぜ!
とか勝手に僕も行く程で話を進めていました。
一通り彼のビジョンを聞き終えると
「また来週!」と元気よく立ち去っていきました。
僕は断りきれないまま笑顔で「はい!」と返事をして家路に着きました。
《事前授業開始》
いよいよ事前授業の開始です。その日も教室に入るまで、様々な葛藤を心の中で繰り返しやっとの思いで教室に入りました。事前授業は僕を含めて4人で行う事となり、この4人で韓国で生活を行うとのことでした。
「今日から皆さんの絆を深めていって韓国では助け合って下さい。」という教授の言葉に僕は
「もう後戻りはできない…」
という若干の絶望感を感じました。
事前授業では、生活をする上での最低限の韓国語を勉強し、教授の暖かいお言葉の通り僕たちは絆を深めていきました。
また、教授がとても良い方で彼は在日korean2世で経済学と韓国語を教えていて韓国の留学担当もしているので留学前に僕たちの面倒をみてくれました。
短期留学メンバーと徐々に絆を深めていき、留学をするのが少しワクワクしてきたのはいいのですが、大きな問題が1つ残っていました。それは
留学費用です….
僕は一人暮らしで仕送りもなかったので、バイト代はほとんど生活費用に消えて、貯金はほとんどないに等しい生活でした。
ですのでバイトを掛け持ちして、朝から夕方は学校、夜から朝までバイトといった生活を続けなんとか留学費用を貯めることができました。
僕は昔から鼻の粘膜が弱く、体調が悪かったり、徹夜するとすぐに鼻血が出てしまう体質です。
留学費用を貯めるためにがんばっていた期間は毎日のように鼻血を出していました。
そんな生活もあっ。という間に過ぎ、いよいよ短期留学当日となり、鼻血の日々にもバイバイしました。
《ビジネスクラスで韓国へ》
ここで短期留学メンバーの紹介をします。(全て仮名です。)
説明会の時に話しかけてきた当時大学4年生。私たちのリーダー的存在
・福山さん
おっちょこちょいで紅一点
・伊藤ちゃん
フェミニンな感じ
・小橋くん
そして鼻血は体調のパラメーター
僕。
皆初めての海外ということもあり、出発前からドタバタでした。
空港についてまずチケット発行
ではなく写真撮影そして談笑。
楽しいひとときを過ごしていよいよチケット発行へ。
ギリギリの時間でチケットを発行したため僕と福山さん2人分のエコノミーの席は満席。
そして運良く僕と福山さんだけビジネスクラスへ。
飛行機の中で勉強していこう!と意気込みテキスト片手に乗りこんだ僕たちはその座り心地の良さに爆睡。機内食も食べずにずっと寝ていました。
約2時間のフライトがまるで2駅分くらいの感覚で韓国に到着しました。
《現地で決起集会》
韓国に到着してまず最初に教授と会う事になっていました。(教授の奥さんが韓国の方で夏休みを利用して奥さんの実家にいらっしゃるという事なので。)
教授は僕たちが通う事になっている語学堂の付属先の大学を卒業しているので周辺の街を色々と案内してもらい、授業開始に向けて決起集会を開き教授は奥さん実家に戻っていきました。
《小橋君突然の発病》
授業開始まで何日かあったので僕たちは周辺を観光したりして過ごしてました。
そしていよいよ授業が始まるという前日に事件は起きました。
日曜日の早朝に小橋君から電話がありました。
「お腹が痛い…」
普通はトイレに行けば済む事なのに電話で伝えてくるほど痛いのか?それとも僕に気があるのか?と思い、一応、福山さん、伊藤ちゃんにも連絡することに。
福山さんは何度かコールしたら出ましたが、伊藤ちゃんは出ず、とりあえず小橋君の様子を見に2人で部屋に向かいました。
(私たちは同じ寄宿舎に住んでいてそれぞれ部屋が近くでした。)
小橋君の様子は元気がなくベッドに横たわっていました。
僕たちは病院に連れて行きたかったけど、どうしたらいいのかわからずにいました。
このまま小橋君を見捨てるしか方法はないのかと途方に暮れているなか一条の光が。
語学学校の日本語ができる事務の方の電話番号を教授に教えてもらっていた事を思い出しました。僕たちはこの方にすべてを託すべく電話をかけました。
運良くつながり、ありがたい事に来てくれることに。
事務の方が到着し、事情を説明して病院に行く事になりましたが、その日は日曜日、さらには早朝。ほとんどの病院が開いておらず、
唯一開いていたのが「小児科」(笑)
5つほどあるベッドは全て子供たちで埋め尽くされ、その間にはお腹を痛めた青年が寝そべっているというシュールな光景が広がっていました。
小橋君の診察が行われている間、僕と福山さんは暇だったので体重計で遊んだりしてました。子供用の体重計だったので大人が乗ると針が振り切れて、「太ったらこんな気分なのかー」などと浮かれていました。
小橋君の診察が終わり結果を事務の方に訳してもらうと、「よくわからないので一度、薬を処方するので安静にしなさい」との事。
小児科病院で子供に紛れベッドに横たわるというプレイをさせられ、友達は体重計で遊び、挙げ句の果てには結果がわからないと言われた小橋君の背中を僕は一生忘れないでしょう。
僕たちは一旦、寄宿舎に戻ることにしました。
寄宿舎にもどり、いままでの経緯を教授に電話をしたら、なんと寄宿舎まで来てくれるとのこと(実家から寄宿舎まで約2時間)。なんて良い教授なんだと思い、寝起きの伊藤ちゃんと僕たちで思い空気のまま教授を待つ事に。
そして教授到着。
今後について話し合いをすることに。
話し合いの最初の時点で小橋君は半泣きでした。
そして小橋君の口から衝撃的な一言が発せられました。
「僕、日本帰る。」
僕は「えー!?」と思いました。本当に「えー!?」としか思えませんでした。
おそらくみんなも「えー!?」と思ったに違いありません。
そしてみんなも「えー!?」としかおもえなかったと思います。
小橋君の言葉は日曜日の爽やかな空気を一瞬にして重くしました。
鳥のさえずりとともに響き渡る小橋君のすすり泣く声。僕はなんて言葉をかけて良いのかわからずただ、黙っている事しかできませんでした。
《小橋君帰国》
小橋君の帰国する発言の夜、暇だったので、僕と福山さんは隣の町まで出かけてみる事にしました。
僕たちは出発前に様子を見に小橋君の部屋へ行くと、案の定ベッドに横になっていました。これから隣の町まで行ってみるという事を伝えるとベッドから起き上がり「行っちゃうの?」と、か細い声で言ってきました。「うん」と返事すると「ほんとに行っちゃうの?」と、もし小橋君が女の子だったら、きゅんとなって抱きしめてあげたいくらいの、弱々しい表情と声で言ってきました。
しかし小橋君は男なので僕たちは隣町に繰り出したのでした。
授業の初日終了後。帰ってくると僕の部屋の前に洗剤がそっと置いてありました。(寄宿舎には共用のコインランドリーがあり、みんなで洗剤を一つ買い、それを使い回していました。その時は小橋君が最後に使ったので小橋君が持っていました。)
私は思いました。
「ああ、小橋君は帰国したんだ。」と。
案の定、小橋君の部屋には何も残っていませんでした。
小橋君との思い出はここで終わってしまいました。これからだというのに残念でした。そして、日曜日の朝だというのに駆けつけてきてくれた事務の方、そして教授には感謝してもしきれないです。
《いよいよ学校へ》
初日からハプニングに見舞われましたが、留学生活はこれからです。
まず、最初に声を大にして言いたいことは
「学校、めっちゃくちゃ、楽しい!!」
どのくらい楽しいかビタミンで表すと、日常がレモン5個分のビタミンなら3000個分のビタミンくらい。
さらに間取りで表すと、日常が1Rのトイレ共同、風呂なしなら5LDKトイレバス別のバルコニー有りの駅から徒歩3分くらいの楽しさです。
学校に行くのが楽しいという感覚は、バトエンが流行った小学3年生以来でした。
《13:00からはパラダイスタイム》
学校の始業時間は9:00から。
50分授業が4回で、終わりはなんと….
13:00!!
「徹子の部屋」に十分間に合う時間です。
学校に着いて席に座って教科書を開いて閉じたらもう13:00!!
そしてこの13:00以降がパラダイスタイムなのです。
つまり13:00以降はフリータイム
ということです。
勉強するもよし、昼寝するもよし、観光するもよし、徹子の部屋を見るもよし、徹子と勉強するもよし、徹子と昼寝するもよし。
そう、フリーなタイムを徹子とパラダイスサマーヴァケーション
なのです。
少し話しがそれましたが、授業が終わったら自由といことで僕は
宿題(宿題は毎日出されます)→昼寝→夜の街へGO!!という流れで過ごしていました。
さらに土日は休みなのでやりたい事し放題なのです!!
《クラブでオールナイッッ》
土日は学校が休みということで土曜の夜に僕たちは韓国のクラブへ行く事にしました。
クラブ↓ではなくて、クラブゥ↑またはブークラの方です。
そして
事件はまたしても起こったのです。
《クラブに入れナイッッ》
クラブへは福山さん、伊藤ちゃん、僕、そして学校で友達になった日本人2人と行きました。
ここで彼ら2人を簡単に紹介します。(仮名です)
いい声
・ひでひこ
なんかツイてない天然
・森
僕と伊藤ちゃんと森は初クラブ。しかも韓国。もうドキドキでした。
お化け屋敷に入る直前と同じ心境で少しお腹が痛みました。
そんな僕とは逆に福山さん、ひでひこは小慣れた感があり、特に福山さんは自称クラブ通。(今回のクラブも福山さんが計画しました。)
「俺についてくれば大丈夫だから」と言い放ち、その言葉には様々なクラブを渡り歩いてきた男の自信とクラブへの情熱を感じました。
福山さんの姿が海賊王を目指すあのキャプテンにさえ見えました。
頼りがいのあるキャプテン。
信頼できる仲間達。
いざグランドラインへ!ドン!!
そして僕たちは本日の目的地クラブへ到着。
入場する際に必要なのが身分証明書。
僕たちはもちろん韓国での身分証明書を持っていません。
そこで役立つのがパスポート。
この知識も福山さんが教えてくれたので僕たちはすんなりと中へ。
とはいかず…..
1人だけ入れないやつが….
森だ。
なぜだ!?
森もパスポートを持ってきたはず…..
別にドレスコードが必要ってわけでもないし….
森も別に問題を起こすような感じではないし….
好き嫌いもこれといってないし…..
ご飯も残さず食べるし….
服も着てるし…….
ズボンも履いてる…..
靴だって…..
!!!!!!
オーマイーガー
サンダル履いてるー!!
夏は靴かサンダルかといったらサンダル派だった森!!
そう、クラブはサンダル禁止なのです。
僕たちは福山さんから聞いてたので靴を履いてきたけど、なぜか森はサンダル。
ここで仲間が1人減るとは…
まさかの急展開。
森「俺、寄宿舎戻ってるから楽しんできなよ。」
僕「森…」
そして森は寄宿舎に戻っていきました。サンダルで…..
《カフェでオールナイッッ》
仲間を1人失うも目の前にはクラブという未知なる世界が待っている。林の思いを胸にフロアへと向かいました。
フロアに着くともう、パーリーピーポー。エビバディダンシング、シェイキング今夜は朝までパーリナイッの世界がそこにはありました。
とりあえず僕もボディーをシェイキングして、みんなに合わせて踊っていました。
が、開始10分ぐらいで飽きていました。正直帰りたくなっていました。サンダル履いてくればよかったと思いました。
「僕、飽きたんで帰ります。」と言いたい気持ちをぐっとおさえて、来て良かった。この時間を楽しんでますよオーラを出してシェイキングしていました。
「クラブって結構楽しいですね!」と言わんばかりにボディーをシェイクしながらとなりにいる福山さんを見るといない。
すでに単独行動に出た模様。
ひでひこも単独行動に出た模様。
残るは僕と、伊藤ちゃん。
伊藤ちゃん….
ん?
伊藤ちゃん?
いづこ?
よく探してみると…
いた!
楽しそうに踊ってるじゃないですか。男と。
…….
…….
は!!!
まじか!!
K-POPに詳しい伊藤ちゃん。
韓国人と付き合いたいと言っていた伊藤ちゃん。
お団子ヘアーがよく似合う伊藤ちゃん。
夢、叶ったじゃないですか。
僕はそっと見届けることにしました。
一方、福山さんたちは….
もう完全にどこかに消えていました。一緒にクラブに入った事までも疑ってしまうほど存在感を薄れさせていました。
そして自分…..
未だ楽しめずにいて、帰りたいという気持ちが高まっていました。
たまごっちを家に忘れた時くらいに帰りたかったです。
このまま朝まで1人なのか?という不安も高まっていました。
家に忘れたたまごっちがおやじっちになっているんじゃないかっていうぐらい不安でした。
おやじっちへの恐怖を拭えぬまま、時刻は深夜2時を回っていました。
ずっと1人でシェイキングしていると、ポケットで携帯がヴウーヴウーと鳴っているのに気づきました。
画面を見ると伊藤ちゃんから。
「おいおいさっきの韓国人といい感じになったからって電話で自慢ですか?」と思いつつ電話に出てみると
伊藤ちゃん「た、た、た、たすけて〜」
僕「?」
伊藤ちゃん「連れてかれそう〜」
僕「?」
伊藤ちゃんが連れて行かれそうらしい。
誰に?なんで?
…..
…..
…..
…..
は!!
まさか!!
とりあえず場所を聞き出し伊藤ちゃんのもとに。
人をかきわけ、かきわけ….
肉食動物に狙われている小動物
発見!
確保!
そして
保護!
一旦僕らはブークラを出る事にしました。
その旨を福山さん、ひでひこに伝えるべく電話したのですが案の定出ず。
2人でブークラという未知の世界から脱出しました。その途中あの肉食動物に遭遇しましたが、何事もなく外の世界に出られました。
まさかこんな形でブークラをでるとは、サンダルを履いて入れなかった方がましだったかもな。
森何してるのかな。
もう夢の中かな。
夢の中ではブークラ入れたかな。
など考えつつ深夜の韓国の街をうろついてました。
寄宿舎に帰りたかったけど、寄宿舎は12:00に閉まってしまうので帰れませんでした。
どっか休める所はないか探していると、24時間営業のカフェが結構あることに気がつきました。
(なぜか韓国にはカフェがたくさんあって、24時間営業の所も少なくありません。)
僕たちは適当にそこらへんにあったカフェに入りました。
カフェの中はちょっとゴージャスで、ソファーもクッションもふっっかふかでした。
ちょっと口数の少ない伊藤ちゃんと同じものを頼み、もう一度福山さんに電話してみました。
「プルルル、プルルル、プルルル…..」
「!」
7回目のベルで受話器を取った福山さん
今までのいきさつを軽く説明すると
「おれも飽きたからそっちいくよ」
とのこと。
曖昧な態度がまだ不安にさせる
It’s automatic….
ひでひこにも電話するとすんなり出てカフェに来るとの事。
しばらくすると、福山さん、ひでひこの順でご来店。
2人に伊藤ちゃんの出来事を話すと
なぜか伊藤ちゃんの恋愛に対してダメ出しをする2人。
それを真剣に聞く伊藤ちゃん。
早く寝たい僕。
約2時間ぐらいして反省会は終了。
寄宿舎に戻ることにしました。
韓国で初のクラブで怖い体験をし、慰められるかと思いきや自分の恋愛をダメ出しされた伊藤ちゃんは人として少し成長したと思います……
成長した事にします
《森、食い逃げ事件》
短期留学も終わりを迎えようとしていた頃、事件は起きました。
ある日、森が暗い顔で教室に入ってきました。
どうしたのかと聞くと。
「昨日、寄宿舎の食堂で夕飯を食べていたら食い逃げ犯に間違われて大変だった。」とのこと。
僕は詳細を聞いた。
(以下、本人の話を参考に書きました。)
事件当日森は夕飯を食べに食堂へ向かった。
食堂は食券式で食堂の横にある売店で券を買って、その券を食堂のカウンターの箱に入れてから当日の夕飯のメニューがもらえるというシステムだ。
そしてここ最近食堂のおばさん達を悩ませる事件が多発していて厨房はピリピリしていた。
その事件とは
『食券偽造』
食券を買ってそれをコピーして箱に入れる(そうすれば1回分の食券で何回も使用できる)という悪質な事件がおばちゃん達をピリピリさせていた。
そんな中、なにも知らない森はもちろんサンダルで食堂へと向かい食券を買い、しっかりと箱に入れ並んでいた。
ピリピリしているおばちゃんはこまめに箱のチェックをしていた。
そして…..
おばちゃん偽造食券発見
並んでいる人を1人1人問いただして行くおばちゃん。
そしてついに森の所へ。
しかし森は僕らと同じように韓国語が話せないしあまり聞き取れない。
森は何を言っているのかわからず適当に相づちをうつしかできない。
そしてついに….
森、犯人に間違われる。
何を言っているのかわからないけどすごい剣幕で起こるおばちゃん。
首根っこをつかまれる森。
一方その頃僕たちは
韓国人との交流会に参加してハッピーな時間を過ごしていました。
そして森….
どこかに電話をかけようとするおばちゃん。
訳が分からないが必死に弁解する森。
熱意が通じたのか、怒りが収まったのか、犯人じゃないとわかったのか、森はその場から脱出できた。
そしてハッピーな僕らに遭遇。
韓国で貴重な体験をした森。彼も伊藤ちゃんと同じく大きく成長できた事でしょう。
《授業終了》
たくさんの貴重な体験をして、あっという間に過ぎ去った3週間。
とうとう授業最終日となってしまいました。
授業最終日は前日に最終試験を行ったのでそのテストの返却と3週間のプログラムに参加した全生徒の修了式が行われました。
テストは合格点をクリアしていれば修了証がもらえる事になっていました。
普通に授業に出ていれば合格できる内容だったので僕たちは全員合格…..
とはいかず、1人もらえる事が出来ませんでした。
さてその1人とは誰でしょうか。
これまでの冊子の内容を思い出して考えてみてください。
①女の子にモテモテだった福山さん
②やや女の子にモテモテだったひでひこ
③写真は食べ物しか写ってなかった伊藤ちゃん
④えん罪の森
⑤韓国人によく間違われた僕
さあ誰でしょう。
正解者した方にはいつかハッピーな事がおきるよ☆
それでは正解発表です。
正解は
③の伊藤ちゃんでした。
彼女はがんばっていたけどあと一歩でした。
落ち込んでいる彼女でしたが修了式終了後に大事に使っていたという筆箱をなくしてしまい、森と僕と伊藤ちゃんで教室中を探しましたが見つかりませんでした。
さらに落ち込み、もう泣いちゃってました。
僕は「がんばれ伊藤ちゃん。強くなれ伊藤ちゃん。」と心の中でつぶやきました。
《その後のみんな》
帰国後、数日間は植物状態でした。
留学生活が楽しすぎて、心にぽっかりと穴が空いた感じがして何もする気が起きませんでした。
時間と共に気持ちも持ち直してきて改めて留学の大切さを考えました。
この3週間は僕の人生を大きく変える3週間となりました。
たぶん他のみんなもそうだったに違いありません。
いや
確実にみんなの人生を大きく変えました。
まずひでつぐ
大学の専攻を韓国語に変更。
伊藤ちゃん。
帰国して1年後に1年間の韓国留学へ。
森
帰国して2年後韓国の大学に編入して卒業。
僕
大学卒業後1年間韓国へ留学
福山さん
留学前に内定を貰っていた会社をける。→もう一度就活。→某有名大学の職員→退職→独立して韓国語の先生
といった感じにあの3週間でみんなの人生がこんなにも変わってしまいました。
そしてなんと今現在、僕、森、福山さんでルームシェアをしていて韓国に関するビジネスを模索中
《最後に》
あの日、僕がもし説明会に出ていなかったら。福山さんに出会っていなかったら、みんなに出会えてなかったら僕は今何をしているんでしょう。
最近思うのが人生ってある程度は必然なんじゃないかって思います。
成すべくして成って、出会うべくして出会った的な。
3週間の留学も僕が生まれた時から決まっていて、出会う人たちも決まっていて。
こういう風に考えると何となく辻褄が合うというかなんというか….
まあ考え方は人それぞれですからね。
でも1つ言える事は
たった1度の人生楽しんだ者勝ち
ですよ。
~ 完 ~